このページの要点
- 製造数量の上限は、許諾の「条件」の一つ(著作権法63条2項)。「目安」ではなく「上限」と書き、超えるときの申請と承認の手順を置く。
- 数量を数える仕組みは、報告のみ、証紙方式、第三者の検数から選ぶ。証紙は契約上の仕組みで、貼れない商品の代替方法と保管の責任まで決める。
- 販売の期間、経路、地域、用途を限り、許諾された商品以外への流用を禁じる。見本品の個数と、対価の計算から除く数量も書く。
- 終了後の在庫は、期間、数量の申告、新規製造の禁止、対価、廃棄の証明を書く。何も書かないと、在庫の販売が許諾の範囲外になるおそれがある。
結論:数量は「許諾の範囲」であり、対価と報告の「土台」でもある
キャラクターや作品の絵、題名を商品に使わせる商品化の許諾では、「何を」「いつまで」「どこで」に加えて、「何個まで」が契約の中心になります。著作権法63条2項は、許諾を得た者は、その許諾に係る利用方法と条件の範囲内で著作物を利用できる、と定めています。製造数量の上限は、この「条件」の一つです。上限を超えて製造すれば、許諾の範囲外の利用になりえます。また、商品化の対価は数量に単価と料率を掛けて計算する形が多く、数量が分からなければ対価も確定しません。数量の管理は、許諾の範囲を守らせる仕組みであると同時に、対価の計算の土台でもあります。
このページの結論は三つです。第一に、製造予定数量は「目安」ではなく「上限」として書き、超えるときは事前に申請して承認を得る形にします。第二に、数量をどう数えるかの仕組み(報告だけにするか、商品1点ごとに貼る検数用の証紙などを使うか)を決めます。第三に、販売の期間と経路を限り、契約が終わった後の在庫の扱い(販売できる期間、新規製造の禁止、対価の支払い、廃棄の証明)を、あらかじめ書きます。
なお、商品に商標や題名を付ける場合の使用の条件(表示の方法や商品の品質の水準)は、同じ契約に書かれることがあります。ただし、商標の登録や権利化の手続は、このガイドの範囲ではありません。このページでは、許諾に係る数量、期間、経路、在庫の管理に絞って整理します。許諾料の計算式は許諾料の計算と報告、承認の流れは監修・承認の流れ、契約の終了全般は終了・絶版・権利の戻し方のページで扱っています。
商品化の許諾を始める前に、数量について決めておくこと
- 商品の種類ごとの製造予定数量と、全体の上限。
- 上限を超えて製造したいときの申請の方法と、承認の基準、期間。
- 数量を確認する仕組み(報告のみ、証紙、第三者の検数のどれか)。
- 販売できる期間、経路、地域。
- 見本品として無償で提供する個数。
- 契約が終わった後の在庫の扱い。
製造予定数量を上限にする書き方と、追加製造の承認
製造数量の書き方には、「目安」とする書き方と「上限」とする書き方があります。「製造予定数量は○個とする」とだけ書くと、超えて製造したときに契約違反かどうかが読めません。「上限」と書き、超えるときは事前に申請して承認を得ると書けば、超過分は承認がない限り許諾の範囲外であることが明確になります。いっぽうで、上限だけ置いて承認の基準がないと、商品が好調に売れて追加で作りたいときに、ライセンシーは承認待ちで機会を逃します。そのため、承認の基準(合理的な理由がない限り承認する)と、返答の期間をあわせて書くのが実務的です。
書き方の例(一般的な例) 数量の上限と追加製造
上限か目安か
理由「目安」では、超過した製造が許諾の範囲内か外かが争いになります。上限と書き、超過分の手続を明記します。
承認の基準と期間
理由承認の義務や期限が書かれていないと、返事が来ないまま、販売の機会を逃します。
契約本文と申請書の優先関係
理由個別の商品ごとの申請書には、契約と違う条件を書き込むことがあります。優先関係を決めておくと、後の食い違いを防げます。
追加製造の申請から製造開始まで
- 販売状況の確認在庫と販売の実績を確認し、追加が必要な数量を見積もる。
- 追加の申請商品、数量、理由、納期、仕様を書面で申請する。
- ライセンサーの審査所定の期間内に、承認または修正の指示を出す。
- 承認・不承認の通知不承認の場合は、その理由を説明する。
- 対価の確定と製造開始追加分の対価と証紙を確定・交付し、製造に入る。
審査の期間と、期間内に返事がないときの扱い(承認したものとみなすか、承認とはみなさず再度の催促をするか)は、承認の運用として別に設計します。みなし承認の考え方は、監修・承認の流れのページでも整理しています。
受注生産型の商品(注文を受けてから製造する商品)では、製造数量が事前に確定しません。この場合は、上限を置くのではなく、注文を受けた数量ごとに製造を申告し、数量に応じた対価を支払う仕組みにします。受注生産型だけ対価の料率を別に定める例もありますが、その場合は、通常の商品との境目(何を受注生産型とするか)を、契約で定義しておかないと、料率の適用で争いになります。
証紙(検数用シール):数量を外から確認できる仕組み
数量を確認する方法として、ライセンサーが製造数量に対応する枚数の検数用の証紙(シール)を交付し、ライセンシーが商品1点ごとに1枚を貼る方式があります。この「証紙」は、契約で定める仕組みの名前であり、法令で定まった制度ではありません。ライセンサーが所定の申請様式と検数用の証紙を課す場合があるため、受け入れる側は、その運用を理解したうえで条件を確認します。証紙の利点は、製造された数量を、報告書だけでなく、商品そのものから確かめられる点にあります。未承認の追加製造や、模倣品との区別にも役立ちます。
数量を数える仕組みの比較
| 方式 | 仕組み | 向く場面 | 弱点 |
|---|---|---|---|
| 報告のみ | ライセンシーが、製造数量と販売数量を定期的に報告する。 | 少量で、当事者の信頼関係がある取引。 | 実数を外から確認できない。報告と実態がずれても、気づきにくい。 |
| 証紙方式 | 交付した枚数を製造数量とみなし、1点ごとに貼付させ、残枚数を報告・返還させる。 | 多数の商品を、複数の工場で作る取引。 | 貼れない商品がある。保管・管理の負担と、費用の分担を決める必要がある。 |
| 第三者による検数・監査 | 製造や出荷の際に、第三者が数量を確認する。 | 金額が大きく、取引の透明性が求められる取引。 | 費用と調整の手間がかかる。 |
証紙方式を採るときに、必ず決めておきたいのは次の点です。第一に、1点ごとに貼ることが難しい商品(小さな物、包装のない物など)があるときの代替の方法と、その費用の分担。第二に、証紙の保管の責任と、第三者(製造委託先、倉庫)に預けるときの承諾。第三に、承認を受けた商品にのみ貼り、他の物に流用しないこと。第四に、証紙を紛失したり、汚損したりしたときの扱い。第五に、契約の終了時に残った枚数を報告し、返還するか、処分済みであることを報告するか、という終了時の手続です。
条文例証紙の条文例(一般的な例)
- 甲は、乙に対し、承認済みの申請書等に基づき許諾した商品の製造数量に対応する枚数の検数証紙を交付する。
- 乙は、前項の検数証紙を、甲が指定する方法で、商品1点ごとに1枚のみ貼付する。商品の性質上、1点ごとの貼付が困難なときは、甲乙協議のうえ、代替の方法を定める。代替の方法に要する費用の負担は、甲乙協議のうえ、合理的に分担する。
- 乙は、検数証紙を善良な管理者の注意をもって保管し、甲の事前の承諾なく、第三者に保管させ、交付し、または譲渡してはならない。ただし、物流業者または倉庫業者に保管させる場合は、この限りでない。
- 乙は、承認を受けた商品にのみ検数証紙を貼付し、その他の物品に流用してはならない。
- 乙は、本契約が終了した時に残存する検数証紙の枚数を、直ちに甲に報告し、甲の指示に従って返還する。返還が困難な合理的な理由があるときは、廃棄、処分または使用済みであることの事後報告をもって足りる。
一項で交付枚数を製造数量に結びつけ、二項で貼付の方法と代替を、三項で保管を、四項で流用の禁止を、五項で終了時の残枚数を整理しています。費用の分担を協議に委ねるときは、協議が整わない場合の扱いも決めておくと安心です。
販売期間・販売経路・地域の限定
数量の上限と並んで、許諾の範囲を決めるのが、販売の期間、経路、地域です。期間は、製造できる期間と販売できる期間を分けて考えます。製造は早く終わっていても、販売は長く続く、あるいはその逆もあります。経路は、公式のオンラインストアに限るのか、卸売業者や小売店への販売(販売のために販売業者に譲渡すること)を含むのか、イベント会場での販売は含むのかを書きます。地域は、国内に限るのか、海外への販売や輸出を含むのかを書き、海外への販売を希望するときは、別途申請して承認を得る形にしておくと、範囲が明確になります。
販売の範囲を限る4つの軸
1販売期間
製造できる期間と販売できる期間を分けて、始期と終期を書く。
書かないと期間が曖昧だと、いつまで売れるのかが分からず、終了後の在庫の扱いにも影響します。
2販売経路
公式のオンラインストアに限るか。販売業者への譲渡を含むか。イベント会場での販売を含むか。
書かないと経路が書かれていないと、想定外の店頭や出店先で売られ、価格や品質の管理ができません。
3地域
国内に限るか。海外への販売・輸出を含むか。
書かないと国外の顧客への販売や、国外へ向けた販売を目的とする第三者への譲渡が、範囲外になるかどうかが争いになります。
4用途
販売のための商品に限るか。販売促進や景品として使うことを認めるか。
書かないと販売用の商品を、別の商品の販促に使われると、対価の対象外になり、ブランドの管理もできなくなります。
許諾された商品以外に、同じキャラクターや題名を使うこと(別の商品や、別の用途への流用)は、許諾の範囲外であることを、あわせて書きます。
販売の経路を限るときに、見落としがちなのが、販売業者への譲渡です。ライセンシーが自分のオンラインストアで直接売る場合は、販売先は一般の顧客です。しかし、卸売業者や小売店に商品を譲渡して売る場合は、その先で価格や陳列が管理できなくなります。そのため、卸売や小売を認めるときは、認める先の範囲や、価格の下限、陳列の条件などを書く場合があります。反対に、公式ストアのみを認めるとするなら、ライセンシーの自社サイトだけでなく、ライセンシーが運営または管理するサイトの範囲を定義しておきます。
契約終了後の在庫販売:期間、対価、新規製造の禁止、廃棄
契約が終わったあとに残った在庫をどうするかは、商品化の契約で最も争いになりやすい点の一つです。許諾を得た者は、許諾に係る利用方法と条件の範囲内でしか利用できません(63条2項)。契約が終了して許諾の期間が終われば、在庫を販売することも、許諾の範囲外になるおそれがあります。契約に何も書かなければ、在庫を売っていいのか、廃棄しなければならないのか、判断の材料がありません。契約では、終了後の在庫の扱いを、次の四つの選択肢から選ぶか、組み合わせて書きます。
終了後の在庫の扱い(ライセンシーに有利になる順)
◀ ライセンサー寄りライセンシー寄り ▶
終了と同時に停止
在庫は廃棄、または引き渡す
- ライセンサーのブランド管理は最も強い。
- ライセンシーは在庫の損失を負う。
期間を区切って販売
一定期間だけ、条件付きで在庫を売る
- 期間、数量、対価、販売の方法に条件を置く。
- 双方の事情を調整しやすい折衷案。
買取り
ライセンサーまたは指定先が在庫を買い取る
- ライセンシーの損失を限定できる。
- 買取価格の決め方を書いておく必要がある。
期間を定めず販売
在庫がなくなるまで売る
- ライセンシーに最も有利。
- ライセンサーは、いつまでも商品が市場に残ることになる。
終了の原因が契約違反による解除か、期間の満了かによって、選ぶ形を変えることもあります。
期間を区切って販売を認めるときは、次の項目をあわせて書きます。期間の起点(契約の終了日か、販売の終了日か)、終了時点の在庫数量を申告する期限、新規製造と追加の取り寄せを禁止すること、在庫の販売分にも契約期間中と同じ計算で対価を支払い、報告書を出すこと、在庫を安く投げ売りしないための価格の制限、期間が終わったときの残りの在庫の廃棄と、廃棄したことの証明です。証紙を使っている場合は、貼付済みの商品の在庫と、未使用の証紙の返還も、あわせて書きます。
書き方の例(一般的な例) 終了後の在庫
在庫販売の期間
理由期間と申告の期限を書かないと、在庫が無期限に残り、数量の把握もできません。
対価
理由終了後の販売分の対価が決まっていないと、在庫が売られても収入がありません。
解除の場合
理由違反を理由に解除したときに、同じように在庫の販売を認めると、違反への措置が弱くなります。
契約の終了の原因が一方の事情にあるときに、その側に在庫を買い取らせる、あるいは損害を賠償させる旨を書くことがあります。この場合の金額は、損害の実態に釣り合っているかを確認します。民法420条は、損害賠償の額の予定を認めており、違約金は賠償額の予定と推定されます(同条3項)。賠償額の予定は、履行の請求や解除権の行使を妨げないものの(同条2項)、請求や支払いの基準になるため、算定の根拠をはっきりさせておくことが大切です。
見本品・サンプルの個数
商品化の契約では、承認を受けた商品の完成品を、ライセンサーに無償で提供する個数を決めます。監修のための見本と、完成後に保存するための完成品があります。個数の書き方は、商品の種類ごとに何個とするか、全体で何個とするかを選びます。提供の時期は、販売を開始する前に提出する場合と、ライセンサーの求めに応じて随時提供する場合があります。提供場所の指定と、送料などの費用を誰が負担するかも、あわせて書きます。
確認の問いと理由見本品・サンプルについての確認の問い
無償で提供する個数は、商品の種類ごとか、全体の合計か。
種類ごとにすると、商品が多いほど負担が増えます。合計にすると、ライセンサーの確認の対象が絞られます。
提供の時期は、販売前の一回だけか、求めに応じて随時か。
随時とするなら、回数の上限や、一回あたりの個数に歯止めがないと、負担が膨らみます。
提供した見本品の個数は、対価の計算の数量に含めるか。
無償の見本や、贈呈用、販売促進用に配った分は、収入が発生しないため、対価の計算の数量から除く書き方があります。除くなら、その範囲を明記します。
見本品を第三者に販売・譲渡してよいか。
見本品が市場に出回ると、証紙の枚数や、販売数量の報告とずれます。販売・譲渡の禁止を書きます。
見本品は少数でも、監修のたびに繰り返されると費用が積み上がります。個数の上限、提出の頻度、費用の負担を、対にして書いておくのが基本です。
製造・販売・在庫の3つの数字を、報告で突き合わせる
数量の管理は、製造数量、販売数量、在庫数量の三つを報告させ、突き合わせることで機能します。製造した数は、販売した数と、手元に残っている数と、見本・贈呈などに回した数と、破損・廃棄した数の合計に等しくなるはずです。この式が合わないときは、どこかで報告漏れや、許諾の範囲外の利用が起きている可能性があります。報告の様式に、この三つの数字を並べる欄を設けておくと、確認がしやすくなります。許諾料の計算に使う数量の定義と、報告の期限や帳簿の保存、監査の手続は、許諾料の計算と報告のページで整理しています。
報告で突き合わせる数量
| 数量 | 誰が報告するか | 確認の方法 | 食い違いの例 |
|---|---|---|---|
| 製造数量 | ライセンシー(製造委託先の実績を含む) | 申請書の数量、証紙の使用枚数と照らす。 | 承認した上限を超えている。証紙の使用枚数と合わない。 |
| 販売数量 | ライセンシー | 販売の記録、帳簿と照らす。 | 報告された販売数と、帳簿が合わない。 |
| 在庫数量 | ライセンシー | 定期または終了時の在庫の申告、立会い。 | 製造数から販売数を引いた数と、申告の在庫が合わない。 |
| 見本・贈呈・破損等 | ライセンシー | 内訳の報告、廃棄の記録。 | 内訳が説明されていない。 |
対価の計算の数量から除くものを、あらかじめ書いておくと、報告の議論が減ります。見本用、寄贈用、販売促進のために配布され収入が発生しないもの、流通の過程での破損や汚損により廃棄されたものを除く、という書き方がその例です。ただし、除くものの個数に上限を置かないと、数量を意図的に減らす方向に悪用されるおそれがあります。除外できる数量の割合や、除外の理由を報告する義務を置くのが、現実的な歯止めです。
署名前の確認と、起きがちなこと
署名前に確認すること
- 製造数量が「上限」として書かれているか。超えるときの申請、承認の基準、返答の期間はあるか。
- 契約本文と、商品ごとの申請書の優先関係が書かれているか。
- 数量を確認する仕組み(報告のみ、証紙、第三者の検数)が決まっているか。
- 証紙を使う場合に、貼れない商品の代替方法、保管の責任、流用の禁止、終了時の残枚数の報告が書かれているか。
- 販売の期間、経路、地域、用途が書かれているか。販売業者への譲渡を含むかどうかが明確か。
- 終了後の在庫販売の期間、在庫数量の申告、新規製造の禁止、対価、廃棄と廃棄の証明が書かれているか。
- 見本品の個数、提供の時期、費用の負担、第三者への販売・譲渡の禁止が書かれているか。
- 製造、販売、在庫の3つの数量が、報告の様式に並べて書かれているか。
- 対価の計算の数量から除くものの範囲と、歯止めが書かれているか。
起きがちなこと
- 製造予定数量を「目安」と書いたため、商品が好調で超過製造をしたが、契約違反かどうか判断がつかなかった。
- 追加製造の申請をしたまま返事が来ず、販売の機会を逃した。承認の期間も、みなし承認も書かれていなかった。
- 証紙を貼れない商品があり、代替方法も費用の分担も決めておらず、貼付をめぐって調整が長引いた。
- 製造委託先に証紙を預けたが、承諾を得ておらず、紛失したときの責任の所在が曖昧だった。
- 契約が終わった後の在庫の扱いを書かなかったため、残った在庫を売ってよいかを巡って争いになった。
- 在庫販売の期間を書いたが、数量の申告がなく、終了後にどれだけの在庫が売られたのか分からなかった。
- 見本品の個数に上限がなく、監修のたびに提供が続き、負担が積み上がった。
よくあるご質問
商品化の許諾で、製造できる数量に上限は必要ですか?
必ず必要というわけではありませんが、上限を置いておくと、許諾の範囲が明確になります。許諾を得た者は、その許諾に係る利用方法と条件の範囲内で利用できるとされており(著作権法63条2項)、数量の上限はその「条件」の一つです。上限を置く場合は、超えて製造したいときの申請、承認の基準、返答の期間もあわせて書きます。
証紙とは、法律で決められた制度ですか?
契約で定める仕組みの名前であり、法令で定まった制度ではありません。ライセンサーが製造数量に対応する枚数の証紙を交付し、ライセンシーが商品1点ごとに貼る方式で、数量を外から確認できる利点があります。貼付が難しい商品の代替方法、保管の責任、費用の分担、終了時の残枚数の報告などを、契約で決めます。
追加製造の申請に、ライセンサーが返事をしないときはどうなりますか?
契約に、一定の期間内に返事がないときは承認したものとみなす、あるいは承認とはみなさず改めて催告するといった定めがあれば、それに従います。定めがないと、承認が得られていない状態が続くことになります。承認の期間と、期間内に返事がないときの扱いは、契約で決めておくのが基本です。
契約が終わった後に、残った在庫を売ってよいですか?
契約に定めがあれば、その定めによります。定めがないときは、契約の終了により許諾の期間が終わり、在庫の販売も許諾の範囲外となるおそれがあります(63条2項)。期間を区切って在庫販売を認める場合は、起点、在庫数量の申告、新規製造の禁止、対価、廃棄の証明を、あわせて書いておきます。
見本品として無償で渡す個数は、決めたほうがよいですか?
決めておくのが安心です。個数が決まっていないと、監修のたびに提供が続き、費用が積み上がります。商品の種類ごとか全体の合計か、提供の時期、費用の負担、第三者への販売・譲渡の禁止、対価の計算の数量に含めるかどうかを、あわせて書きます。
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