出版権の設定契約:著作権法79条〜88条を契約条項にする

出版権は、法律が内容を用意した出版のための権利です。専有させる範囲と義務の水準を、設定行為でどう決めるかが、契約書の中心になります。

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存続期間を書かなかった出版権は、最初の出版行為等から三年で消えます(83条2項)。気づかないうちに、出版権が消滅していることがあります。

このページの要点

  • 出版権は、設定行為で定めた範囲(紙などの複製と、記録媒体を用いた公衆送信)を乙が専有する権利で、対象は「原作のまま」の出版に限られる。
  • 出版の義務は、原稿などの受領から六か月以内の出版と、慣行に従った継続(81条)。設定行為に別段の定めがあればそれに従う。
  • 存続期間の定めがなければ最初の出版行為等から三年で消滅(83条2項)。更新の方法と通知期限を書く。
  • 登録しなければ第三者に対抗できない(88条1項)。出版権者は自分の名前で差止めを請求できる(112条1項)。

結論:出版権は、専有させる範囲と義務の水準を「設定行為」で決める契約

出版権の設定は、著作権法79条から88条に内容が用意されている、出版のための特別な権利です。出版を引き受ける者(出版権者、以下では「乙」と呼びます)に出版権を設定するのは、複製権等保有者(21条の複製権または23条1項の公衆送信権を持つ者、以下では「甲」と呼びます)です。通常の出版許諾と違い、法律が、専有の範囲、出版の義務、修正増減、存続期間、消滅の請求、登録、差止めといった項目を、あらかじめ用意しています。契約書は、この用意された内容に沿って書き、変えたい点だけを「設定行為で別段の定めをする」形で書き換えるのが、基本の考え方です。

ここで言う「設定行為」とは、出版権を設定する甲乙間の合意(通常は契約書)のことです。80条1項は、乙が専有する権利を「設定行為で定めるところにより」と書き、81条の出版の義務は「設定行為に別段の定めがある場合は、この限りでない」と書いています。つまり、法律の既定値を知ったうえで、どこを契約で動かすかを決めるのが、出版権の契約を書く作業です。

  • 専有させるのは、紙の出版か、電子の公衆送信か、その両方か(80条1項)。
  • 出版の義務は、法律の既定値(原稿などを受け取ってから六か月以内に出版、慣行に従い継続)のままか、変えるか(81条)。
  • 存続期間は、いつまでか。定めがなければ、最初の出版行為等から三年で消える(83条2項)。
  • 著作者の修正増減と、再版の通知(82条)の運用をどうするか。
  • 出版権の登録(88条)を行うか。

このページでは、これらの項目を契約条項にどう置き換えるかを、条文の順に整理します。出版権以外の渡し方との違いは、出版・ライセンス契約の選び方で比べています。

出版権で専有させるもの:紙と電子、そして「原作のまま」という限界

79条1項は、複製権等保有者が出版権を設定できる相手を、「出版行為」または「公衆送信行為」を引き受ける者としています。出版行為は、文書または図画として出版することで、電子計算機の画面に文書または図画として表示される方式で記録媒体に記録し、その記録媒体に記録された複製物を頒布することも含みます。公衆送信行為は、その方式で記録媒体に記録された複製物を用いて公衆送信を行うことです。

これを受けて、80条1項は、乙が専有する権利を二つに分けています。第一は、頒布の目的で、原作のまま印刷その他の機械的または化学的方法により文書または図画として複製する権利(原作のまま、記録媒体に記録された電磁的記録として複製する権利を含みます)。第二は、原作のまま、その方式で記録媒体に記録された複製物を用いて公衆送信を行う権利です。設定行為では、この二つの権利の全部または一部を専有させることになります。

ここで見落としやすいのが、「原作のまま」という限定です。出版権の目的は、作品を原作のままの形で複製して出版することです。翻訳して外国語版にする、要約して別の本にする、朗読を録音して音声作品にする、映像作品にする、といった利用は、「原作のまま文書または図画として出版する」ことにあたりません。これらを出版者に任せたいなら、出版権とは別に、許諾や委任として契約に書く必要があります。媒体ごとの切り分けは、媒体別の許諾で整理します。

条文例出版権の設定条項の骨組み(一般的な例)

  1. 甲は乙に対し、本著作物について、次の各号に掲げる出版権を設定する。(1)本著作物を紙の書籍として複製し、頒布すること (2)本著作物を電子データとして記録媒体に記録し、その記録媒体に記録された複製物を用いて公衆送信を行うこと
  2. 前項の出版権の地域は、日本国内とする。
  3. 乙は、本著作物の出版を、第1項各号に掲げる方法のうち、乙が実際に開始した方法についてのみ行うことができる。(条件を付ける場合)
  4. 甲は、乙が本契約による出版権の設定を登録することを承諾し、必要な書類の作成に協力する。

第3項のような条件は、紙は出すが電子は出さない、といった偏った実施を避けるためのものです。入れるかどうかは、取引の実態に合わせて判断します。

法定の内容と、契約で変えられる点の対応表

出版権の条文には、「設定行為に別段の定めがある場合を除き」という書き方で、契約による変更を明示しているものと、そうでないものがあります。変えられる点と、条文が変更を想定していない点を分けておくと、契約書を書くときに迷いません。

出版権の主な規定と、契約で変えられるか

条法律が定める内容設定行為による変更契約書に書く要点
80条1項乙が専有する権利は、紙などの複製と、記録媒体を用いた公衆送信の、全部または一部「設定行為で定めるところにより」。範囲は契約で決める紙だけ、電子だけ、両方のどれか。地域と言語
80条2項著作者の死亡後、または最初の出版行為等から三年を経過した後は、その著作者の著作物だけを編集した全集などへの収録を、甲が行える「設定行為に別段の定めがある場合」を除く全集・著作集への収録の時期と、乙への通知
80条3項乙が他人に複製や公衆送信を許諾するには、甲の承諾が必要条文は承諾を要件とする。承諾の方法や範囲は契約で具体化できる再許諾の対象、事前承諾の方法
81条原稿などの受領から六か月以内に出版し、慣行に従い継続して出版する「設定行為に別段の定めがある場合は、この限りでない」出版の期限と、継続の水準(在庫の維持、電子の提供)
82条著作者は、正当な範囲内で修正増減ができる。紙などの複製を行う出版権者は、改めて複製するとき、その都度あらかじめ著作者に通知条文は変更を認める文言を置いていない通知の方法、修正の受付期限、費用の負担
83条存続期間は設定行為で定める。定めがなければ、最初の出版行為等から三年で消滅「設定行為で定めるところによる」期間、更新の方法、更新しないときの通知期限
84条最初の出版義務の違反は通知で、継続の義務の違反は三月以上の期間を定めた催告を経て、甲は出版権を消滅させられる。著作者は、内容が確信に適合しなくなったとき、一定の条件で消滅させられる条文は変更を認める文言を置いていない催告期間、損害の賠償の扱い
87条出版権の譲渡や質権の設定には、甲の承諾が必要条文は承諾を要件とする承諾の書面、合併や事業譲渡のときの扱い
88条設定・移転・変更・消滅などは、登録しなければ第三者に対抗できない登録を行うかは契約で決める登録の承諾、費用、協力義務

表の「設定行為による変更」の列は、条文に書かれている文言を基にしています。条文に変更を認める文言がない規定を、契約で変えた場合にどこまで効力が認められるのかは、条文だけでは決まりません。そのため、法定の水準を下回る内容に変える場合は、変更の理由を契約に書き、当事者が理解したうえで合意したことが分かるようにしておくのが、安全です。

出版の義務と修正増減:六か月と「慣行に従った継続」

81条は、乙に二つの出版義務を課しています。第一は、原稿その他の原品もしくはそれに相当する物の引渡し、またはその著作物に係る電磁的記録の提供を受けた日から六か月以内に、出版行為(電子配信なら公衆送信行為)を行う義務です。第二は、その後、慣行に従い継続して出版行為(公衆送信行為)を行う義務です。いずれも、設定行為に別段の定めがあれば、その定めが優先します。

六か月という既定値は、短い期間です。乙が編集や製作に時間をかける書籍では、そのまま守れないことがあります。その場合は、「完全原稿を受領してから○か月以内に出版する」と期間を伸ばして書き、乙が何をもって「完全原稿の受領」とするのか(甲の最終確認の完了の日か、など)を決めておきます。逆に、甲が早い出版を望むなら、期間を短くすることもできます。

「慣行に従い継続して」という義務は、何をもって継続したことになるのかが曖昧です。紙の書籍であれば在庫の維持や増刷、電子であれば配信の継続が考えられますが、どの水準を求めるのかは、契約に書かないと基準がありません。たとえば、「乙は、本著作物を、通常の書店で注文できる状態、または電子書籍として購入できる状態に維持する」と書き、維持できなくなったときの通知と、その後の扱い(絶版や権利の戻し)を決めておきます。この後の扱いは、終了・絶版・権利の戻し方に続きます。

修正増減(82条)は、乙が改めて複製する(増刷や改版)際に、著作者が正当な範囲内で修正や増減を加えられる、という規定です。紙などの複製を行う出版権者(条文の呼び方では第一号出版権者)には、その出版権の目的である著作物を改めて複製しようとするときに、その都度あらかじめ著作者に通知する義務があります。電子配信だけを行う出版権者に、同じ通知義務が置かれているわけではないため、電子の場合の通知は、契約で定めておくのが確実です。ここで気をつけたいのは、権利を持つのが「著作者」であって、「複製権等保有者」ではない点です。著作権を第三者に譲渡している場合など、甲と著作者が別人のときは、通知の相手を著作者と明記します。修正が大きいと乙の費用が増えるため、修正の受付期限や費用の負担を、契約で決めておくと混乱を避けられます。

書き方の例(一般的な例) 出版の義務の書き方

出版の時期

よくある書き方乙は、速やかに本著作物を出版する。
整えた書き方乙は、甲が完全原稿を引き渡した日(甲が最終確認を完了した旨を乙に通知した日)から○か月以内に、本著作物の出版を行う。やむを得ない事由があるときは、甲乙協議のうえ期限を変更できる。

理由「速やか」では、81条の既定値(六か月)との関係が不明です。起算日と期間を書き、変更の方法も決めます。

継続

よくある書き方乙は、本著作物の販売に努める。
整えた書き方乙は、本著作物を、通常の方法で入手できる状態に維持する。維持できなくなるおそれがあるときは、あらかじめ甲に通知し、協議する。

理由「努める」では、義務違反かどうかの基準になりません。維持の水準と通知を書きます。

修正増減

よくある書き方甲は、乙の了解を得て、本著作物を修正できる。
整えた書き方乙は、本著作物を改めて複製しようとするときは、その都度あらかじめ、著作者に通知する。著作者は、通知から○日以内に、正当な範囲内で修正または増減を申し出ることができる。

理由82条2項の通知義務と、同条1項の著作者の権利を、期限付きの運用に落とし込みます。

存続期間と更新:定めがなければ三年で消える

出版権の存続期間は、設定行為で定めるところによります(83条1項)。定めがないときは、設定後最初の出版行為等があった日から三年を経過した日に、出版権は消滅します(同条2項)。三年という既定値は、書籍の出版には短いことが多く、契約書に期間を書かなかったために、気づかないうちに出版権が消えているという事態が起こりえます。

期間の書き方には、いくつかの型があります。一定の年数を定める型、出版後一定の年数とする型、一定の年数ごとに自動で更新する型です。自動更新を置く場合は、更新を止めるための通知の期限(たとえば期間満了の一定期間前まで)を書いておかないと、いつまでも続くのか、どの時点で止められるのかが分からなくなります。更新の際には、売れ行きに応じて条件を見直す機会を設けるかも、合わせて決めます。

条文例存続期間と更新の条項の骨組み(一般的な例)

  1. 本契約による出版権の存続期間は、最初の出版行為の日から○年間とする。
  2. 期間の満了の○か月前までに、甲乙いずれからも書面による終了の通知がないときは、同一の条件で更に○年間更新されるものとし、以後も同様とする。
  3. 前項の更新に際し、甲または乙は、許諾の条件の見直しを求めることができる。協議が整わないときは、更新しないものとして扱う。(見直し条項を置く場合)

存続期間の起算日を、契約日にするのか、最初の出版行為の日にするのかで、実質の長さが変わります。起算日は、必ず書いておきます。

期間満了のあとの在庫の販売や、電子版の配信停止、データの返却といった終了時の処理は、期間の条項とセットで書かないと、満了の日に何が起きるかが曖昧なまま残ります。終了時の処理は、終了・絶版・権利の戻し方で整理しています。

消滅請求・譲渡・再許諾:権利を止める、動かす手続

出版権が機能しなくなったとき、甲が出版権を終わらせる道が、84条の消滅請求です。条文は三つの場面を用意しています。

  1. 最初の出版をしないとき(84条1項)。81条1号イまたは2号イの義務(受領から六か月以内の出版)に違反したときは、甲は、乙に通知して、出版権を消滅させられます。催告は要件になっていません。
  2. 継続の出版をしないとき(84条2項)。81条1号ロまたは2号ロの義務(慣行に従った継続)に違反した場合は、甲が三月以上の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がなければ、乙に通知して消滅させられます。
  3. 著作者が内容に確信を持てなくなったとき(84条3項)。複製権等保有者である著作者は、その著作物の内容が自己の確信に適合しなくなったときは、出版行為等を廃絶するために、通知して出版権を消滅させられます。ただし、廃絶によって乙に通常生ずべき損害をあらかじめ賠償しない場合は、できません。

契約書では、この三つの場面を、契約上の解除や終了の条項とどう組み合わせるかを決めておきます。84条は、出版権の消滅を請求する根拠であって、契約そのものの終了(債務不履行による解除)とは別の仕組みです。出版権を消滅させるときに、契約も終わるのか、許諾の関係は残るのかを書いておかないと、出版権は消えたのに契約が続いて、在庫の販売や報告の義務の扱いが宙に浮くことがあります。

出版権の譲渡や質権の設定は、複製権等保有者の承諾が要ります(87条)。また、乙が他人に複製や公衆送信を許諾するときも、甲の承諾が要ります(80条3項)。事業を他社に承継するときや、配信を別の事業者に任せるときに、この承諾が問題になります。契約書には、承諾の方法(事前の書面)、承諾できる相手の範囲、承諾を得た再許諾先にも同じ義務を課すこと、を書いておきます。

登録と差止請求:第三者に対して出版権を主張するために

出版権の設定、移転、変更、消滅は、登録しなければ、第三者に対抗できません(88条1項)。たとえば、甲が同じ作品の出版権を別の事業者にも設定してしまった場合や、甲の著作権を取得した第三者が現れた場合に、乙が登録をしていなければ、乙は自分の出版権をその相手に主張できなくなるおそれがあります。契約書には、乙が登録を行うことの承諾と、必要書類への甲の協力、登録の費用の負担者を書いておきます。

登録を行うかどうかは、取引の規模と、第三者との競合のおそれで判断します。小さな取引では、登録を行わずに契約だけで進めることもありますが、その場合は、第三者に対する主張に制限があることを理解したうえで進めます。登録の具体的な手続は、条文と所管官庁の資料で確認が必要です。

出版権者は、112条1項により、出版権を侵害する者または侵害するおそれがある者に対して、侵害の停止または予防を、自分の名前で請求できます。侵害の行為を組成した物などの廃棄を請求することもできます(112条2項)。損害賠償の場面でも、114条の規定には出版権者が含まれています。たとえば、114条3項は、出版権の行使につき受けるべき金銭の額に相当する額を、損害の額として請求できるとしています。

これらの権利は、出版権の設定を受けてはじめて、乙が自分の名前で行使できるものです。通常の許諾では、これらの請求を誰がどのように行うのかを、契約で決める必要が出てきます。侵害への対応を契約に書く方法は、保証と侵害対応で扱います。

署名前に確認すること(出版権の設定)

  • 専有させる権利が、紙と電子のどれか(または両方)として書かれているか。
  • 地域と言語が書かれているか。
  • 出版の期限の起算日と、期間が書かれているか。
  • 「慣行に従った継続」の水準が書かれているか。
  • 存続期間と、更新・終了の通知期限が書かれているか。
  • 修正増減の通知の方法と、受付期限が書かれているか。
  • 消滅請求と契約の解除の関係が書かれているか。
  • 再許諾・譲渡の承諾の方法が書かれているか。
  • 登録の承諾と、費用の負担が書かれているか。

起きがちなこと

出版権の設定で起きがちなこと

  • 存続期間を書かなかったために、最初の出版から三年で出版権が消滅していたことに、後から気づく。
  • 出版の期限の起算日が曖昧で、乙が「まだ完全原稿を受け取っていない」と主張し、六か月以内の出版義務の有無で争いになる。
  • 「慣行に従い継続して」の水準が書かれず、在庫が尽きたまま増刷されない状態を、義務違反と言えるのか分からない。
  • 出版権を設定したが登録をしておらず、別の事業者に同じ作品の出版権が設定されたとき、対抗できない。
  • 出版権が消滅したのに契約は続いており、在庫の販売や報告の義務の扱いが宙に浮く。
  • 著作権が第三者に譲渡されているのに、修正増減の通知を甲に出し、著作者に出していない。
  • 電子書籍の配信を、乙が別の事業者に任せたが、甲の承諾の手続を踏んでいない。

よくあるご質問

出版権を設定すると、通常の出版許諾と何が違いますか。

出版権の設定を受けた乙は、設定行為で定めた範囲を専有し(著作権法80条1項)、自分の名前で侵害者に差止めを請求できます(112条1項)。登録をすれば第三者に対抗できます(88条1項)。他方で、乙には出版の義務があります(81条)。通常の許諾(63条)は、許諾された利用方法と条件の範囲内で使える関係にとどまり、これらの規定は適用されません。

出版権の存続期間を決めなかったら、どうなりますか。

設定行為に存続期間の定めがないときは、設定後最初の出版行為等があった日から三年を経過した日に、出版権は消滅します(83条2項)。更新の方法や、更新しないときの通知期限を決めていなければ、満了の日に出版権が消え、その後の出版や配信が許諾なく行われる状態になるおそれがあります。期間と更新は契約書に必ず書きます。

出版者が約束した時期に出版しない場合、出版権をなくせますか。

乙が81条1号イまたは2号イの義務(原稿などの受領から六か月以内に出版)に違反したときは、複製権等保有者は、乙に通知して出版権を消滅させられます(84条1項)。継続して出版する義務(81条1号ロ・2号ロ)に違反した場合は、三月以上の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行されないときに、通知して消滅させられます(84条2項)。契約書で出版の時期を別に定めた場合は、その定めが基準になります。

「原作のまま」とは、どういう意味ですか。

80条1項は、乙が専有する権利を、原作のまま複製する権利と、原作のまま記録媒体に記録された複製物を用いて公衆送信を行う権利としています。原作を翻訳する、要約する、映像化する、朗読を録音して音声作品にするといった利用は、原作のままの出版ではないため、出版権の目的にはなりません。これらを任せる場合は、出版権とは別に、許諾などとして契約書に書きます。

出版権の登録は必ず行わなければなりませんか。

法律上、登録は義務ではありません。ただし、出版権の設定、移転、変更、消滅は、登録しなければ第三者に対抗できません(88条1項)。第三者との競合が考えにくい取引では、登録をせずに進める場合もありますが、その場合は、第三者に対して出版権を主張できない場面があることを理解しておく必要があります。契約書には、登録の承諾と協力義務を書いておきます。

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